人とは違うマイノリティが救われる漫画、「泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。」の感想

ボコ恋サムネイル

今ネットで大反響を呼んでいる漫画「実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。」(略してボコ恋と呼ばれています)を、たくさんの人に読んで欲しいのでレビュー・感想を書きます。

ボコ恋のあらすじ

生まれてはじめて泣くまで殴られた。その時、生まれてはじめて恋に落ちた。暴力を受けることでしか興奮できない被虐趣味を持つ私。自分でも理解し難いこの欲望を、己の中に溜め続けた日々に、突然限界が訪れた――。もっと他にやるべきことがあるような気がするけど、向き合おう、自分の欲望に!! 23歳、処女、恋愛経験なし、性的嗜好がこじれまくった作者が恋に落ちた奇跡を描く、ちょっと過激な初恋エッセイ。

(引用: https://bookwalker.jp/dec35677c5-d79a-4bdb-a65d-79acd1f0613b/)

作者のペス山ポピーさんは、物心ついた時から人に殴られることにしか性的興奮を感じられない、とってもマゾヒストな23歳。

ペス山ポピーさんは暴力自体は大っ嫌い。だけど、股間だけがバグを起こしどうしてもいうことを聞いてくれない。

ボコ恋写真01

そんな自分の人とは違う性的趣向に嫌悪感を抱き、自分自身を嫌いになってしまうポピーさん

ボコ恋写真02

ただそんな毎日に耐えられなくなり、自分の欲望に向き合うことを決意します。そして、自分の「ボコられたい」という欲求を満たすため、ポピーさんはたくさんの人出会い、そこで人生初めての「恋」に落ちます。

心の葛藤が辛くも共感できる。

あらすじにもあったように、ポピーさんは自分のことを変態で気持ち悪いと思い、強い自己嫌悪を感じています。

自分はおかしい人なんじゃないか。生きていてもいいのか。そんな葛藤に日々悩まされてきました。

しかし、そう生まれてきてしまったものは仕方ない。自分の欲望のために自分の趣向と向き合い行動します。

そんな姿が数多くの共感と感動を生みました。特に恋に落ちる回はもう、、、うおおおおおってなります。

以下コメントから抜粋。

そこらに溢れている所謂普通の漫画の恋愛描写は気持ち悪いと思ってしまいますが、今回の展開は心から良かったと思えました。「萌え」とかではなく。 この漫画を初めて読んだ時、細部は違えど私と思考が似ていてとても驚きました。 ですが私とは大違いで、ペス山さんの自分自身を理解し許そうとするところ、そして行動力が本当に素晴らしいと思います。見習いたいです。 これからも応援しています。

1話から読んでました。他の人は普通に出来てるのに自分だけが出来ないのは凄く大きな欠点に思えて悩んでて、世界に一人だけだと苦しむことが沢山あります。でも70億人もいるんだから絶対に一人だけなんて訳ないし、同じことで悩んでなくても理解してくれる人がいることもあるってこのマンガから教わりました。それでいい、そのままで生きてていいって言ってくれてありがとう。自分の行動を制限してるのは実は自分自身だったりする。好きに恋して、好きに生きよう。そう思います。

すげえなこの人マジ こんなに真っ直ぐ自分と向き合えるもんか めっちゃ強い 本当に 尊敬します

初めて読みました。私も3歳くらいから性的興奮(間接的被逆嗜好)が戦闘アニメみながら急に開花してすごいドMになりました。幼い頃、自分の体を自分で括り付けたりetc..人に言えず自分でも普通になろうとしてて切なかったです。私も相手探しもっと広く行動すれば良かったなぁと。読んでいてすごく勇気もらえます。これからも応援してます。長文失礼しました。

心が苦しくて涙が止まりませんよ。 読みたい、面白い、心理描写が本当に面白い!!

恋をすることが生まれてきて今まで当たり前の感覚だったので、 こんな風にもがいたり否定したりしながら自覚に至るという心理背景がすごく新鮮で新しい世界に触れた気がしました。これからも応援しています。

性癖だけじゃない。ご立派な世間や社会や大人のように「ちゃんとしなきゃ」って思って自分を苦しい方へ追いやっている全ての人に、勇気を与えてくれる作品。

今はまだ16話までしか公開されていませんが、コメントは2,000件以上。これだけ過激で下ネタ満載。なのに批判はほとんどなく共感や感動の嵐です。

ボコ恋は性的趣向の話だけどそれだけではない。

この「ボコ恋」は性的趣向の話です。しかし、本質は「性癖」に限った話ではないと思います。

人の好みというのは千差万別ですが、統計を取るとそこには「平均」が存在します。

カレーライスやラーメンが好きな人が多い。女性は綺麗めな服装の男性が好きな人が多い。温泉に入ると気持ちいい人が多い。男性は女性が好き。トイレを我慢するのはしんどい。などなど。

これらは多くの人がそう感じますし、そう感じることが世間一般でいう「普通」です。しかしそれはただの平均であって必ず「外れ値(平均から著しく離れた値)」を持った人が存在します。今回でいうペス山ポピーさんのように。

それは、今の2018年の日本で生まれ育った人の価値観から見た「普通」とは逸脱しているということですし、もしかしたら西暦3000年には殴られて気持ちいい人の方が多数で当たり前になっているかもしれません。日本の「男尊女卑」や「会社勤め」の普通という概念もここ数十年でめちゃくちゃ変わりましたしね。

何が言いたいのかというと、所詮「普通」なんてものは受けての解釈でしかありませんしそんなものに実態はなくて、ただ自分が感じるがままに動けるポピーさんは本当に素晴らしく素敵な人だなあと思いました。

マイノリティの人もそうじゃない人も、ぜひ「ボコ恋」を読んでほしい。

ぼくは今のところ変わった性癖はないですしマイノリティではないと思いますが、それでもこの漫画にはひどく共感し心揺さぶられるシーンがたくさんありました。

「普通とは違う人」に共感はできなくとも(もちろんぼくは殴られるなんでごめんだしその快感を理解はできません)、それはそれで「そういう人もいるんだ」と理解し受け止めてあげることが、その人にとっては救いとなるし大切なことなんだろうなあと思います。

とは言っても、つい反射的に「気持ち悪い」「信じられない」と感じてしまう瞬間も現実にはあって、そう感じるのは意志の力でどうにかしていきたいものです。

少しでも興味がわきましたら、ぜひ「実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。」を読んでみてくださいー。

・「くらげパンチ」というサイトでは1話〜3話と最新の3話が無料で読めます。

こちらでは単行本が販売されています。単行本がおすすめです。(リンクはamazonです)

 

ではー

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