スパイの実態は?どんな人が向いてる?「スパイのためのハンドブック」が面白すぎたので感想を語る。

スパイのためのハンドブック

映画や小説の中で、影の大スターとして描かれている「スパイ」

そんなスパイに、誰しも1度は憧れるもの。ぼくもそうです。

しかし、スパイは謎に包まれていますよね。

どうやってスパイになるのか?スパイの適性は?スパイになるための就職活動って?スパイはどのように恋愛をするのか?スパイ映画にある〇〇って本当?などなど。

今回ご紹介する「スパイのためのハンドブック」は、そんなスパイに関しての疑問を、現在隠居中の元腕利きスパイの方が、洒落たユーモアと共に説明しています。

さらには、スパイは度々のっぺきならない状況に追い込まれます。そんなとき、「どんなメンタルでどんな行動をしたらいいか」という、スパイ活動以外にも精通する人生の考え方もたくさん教えてもらいました。

この本を読めば、恋人に浮気がばれ「どういうことなの!?正直に言いなさい!」と問い詰められたとしても、スパイから学ぶ嘘のつき方やメンタリズムで、そんな時にも冷静に対処できるようになりますね。

 

本記事では、そんなスパイのあれこれを、一部抜粋し紹介していきます。

それでは見てみましょう。

 

この記事の内容

・スパイはどんな人が向いているか

・スパイ映画と現実のギャップ(敵に捕まったらすぐ秘密を話す。経費が落ちない。など)

 

この本の著者「ウォルフガング・ロッツ」はどんなスパイ?

この本の著者ロッツ氏は、10年間以上も秘密情報部員…又の名を「スパイ」をしていました。

所属はイスラエル秘密情報部。主にドイツ人としてエジプトで活動を長くしていたスパイです。

自他共に認める腕利きの工作員であり、今ではスパイ会で最も有名な1人。

現在は年齢のこともあり、現役からはもう退き田舎でゆっくりと暮らしています。

スパイなのに妻を作ったり(本来はご法度です)、敵国に捕まり尋問され刑務所に入れられたりスパイならではの豪快な金遣いをしてみたりと、とにかく波乱万丈なスパイ人生を歩んでいます。

そして、多くのスパイが敵国に捕まり命を落としてしまう中、ロッツ氏はこうして生き延び、スパイのためのハンドブックを本に書き記しました。

 

あなたはスパイに向いているかどうか。

では、スパイに向いている人はどんな人でしょう?また、あなたはスパイに向いていると思いますか?

この本の第1章では、将来のスパイとしてのあなたの適応度を判断するため、10個の質問があります。

例えばこんな問題です。

Q. どの程度まで法律に違反したいか?

a. 午前二時に、通行人のないのをみはからって、赤信号を車でつっきる。

b. 目的をかなえるためなら何でもする。

c. いかなる場合も不法行為はしない。

d. 確定申告の際に虚偽の申し立てをする。

いかがでしょう?

各回答の選択肢には0〜25点までの点数がついており、それが高いとスパイへの適性があります。

上記の設問ならa=10, b=25, c=0, d=15 です。「目的をかなえるためなら何でもする。」を選んだ人が1番得点が高く、「いかなる場合も不法行為はしない。」が0点。

スパイですから法律を破らないといけないことなんて無限にありますよね。

この設問はわかりやすいですが、他の設問では意外な回答がスパイに適性があったりします。

また、この質問であなたが、「密告者」「売国情報屋」「二重スパイ」「駐在スパイ」などのどのスパイに適性があるかもわかります。

ちなみにぼくは、そこそこスパイに向いているそう。プログラミングが嫌になったらスパイに転職活動します。

 

映画のスパイとのギャップ

映画や漫画でよく見るスパイと、実際のスパイとのギャップです。スパイの印象が全然変わりました。

 

給料は低く、経費にうるさい

映画や漫画のスパイは、目的のためならお金を湯水のごとく使いまくり、そこを気にするスパイなんて誰もいませんよね。

しかししかし、実際のスパイはこれとは全く違います。

 

スパイのお給料。

スパイのお給料は、全然高くありません。ロッツ氏曰く、「はした金」だそうです。

また、スパイには労働組合がありません。あるわけないですよね。実際にスパイとして契約しても、スパイの契約は秘匿されなければならないので、書類の1枚ももらうことができません。

全ては法律に縛られない世界。

それゆえに、スパイを雇う国側が、度々「金銭面の二重取引」「空約束」「義務不履行」などを起こし、スパイに最低限の金銭しか与えないということもよくあるそうです。

仕方ないので、スパイはバレないように経費を水増ししたり、その他の不正行為でお金を少しでも多く手に入れるしかありません。

 

スパイの経費

こちらもなかなかに厳しいです。

そのスパイの信頼度にもよりますが、贅沢な食事をしたとか、電車で行けるところをタクシーで移動したとかしてしまうと、経費が落ちないこともあるそうです。(なんてことだ…)

下手したら日本の広告マンの方が自由に経費を使えます。笑

しかし、ロッツ氏のように偉くなり腕利きのスパイともなれば、ある程度贅沢な経費の使い方をしたとしても、大目にみてくれます。それでも、「請求明細書」と「領収書」を求められる時もあるそう。でも、経費の中にはお偉いさんに渡す賄賂なども含まれているので、領収書がなんてあるわけないですよね笑

そんな領収書が無いような場合も人によっては認めてくれたりもするそうですが、とはいえ小言を言われたりととにかく厳しいみたいです。

 想像のスパイと全然違った…

 

尋問されたらまず間違いなく即座に吐く

よくスパイ映画や漫画でありますよね。

スパイが敵側に捕まり拷問を受ける。その時スパイは「どんなことをされても絶対にお前らなんかに喋るもんか!仲間を売るなら死んだ方がましだ!」と叫ぶ。その後どんな拷問を受けても何も吐かず、そのうち仲間が助けにくる…

これは、ロッツ氏に言わせると100%フィクションらしいです。現実のスパイは、敵国に捕まったら絶対に情報を話します。話してしまいます。誰だってやっぱり一番大切なのは自分の命ですもんね。

どれほどスパイを指導する教官が、「敵国に捕まっても何も喋るな」と教育したところで、みんな絶対に話してしまうので、スパイの教官も諦めてしまうそうです…笑

しかし、話す情報は全てではなく、言わないところは言わないようにしたり、敵国が混乱するような嘘を交えて話すように訓練されるとのこと。

そのコツは、「大きな嘘には小さな真実を混ぜよ」。この本には、嘘の効果的なつき方や、嘘をついた後の大量の細部の記憶方法まで解説してありました。

 

スパイには養成学校などなく、個別の訓練がありそこで尾行の仕方などを習う。

かの有名はスパイ映画「キングスマン」では、スパイになる候補生が複数集められ、そこでお互い切磋琢磨し立派なスパイになっていきます。

しかし現実のスパイは違います。完全の個別訓練。教官とマンツーマンでの訓練が基本です。

というのも、もし訓練したスパイが敵国に捕まった場合、仲間のことを知っているとその情報をはいてしまうため、できるだけスパイ自身にも他のスパイの情報を教えないのだそう。

とても孤独な職業ですね…

もちろん教官の名前もコードネーム。

そこで教官から、毎日スパイのノウハウを教わります。時には真夏に1日中、教官にバレないよう教官を尾行したりします。

本著では、その尾行のやり方も詳しく載っているので、ストーカーに興味ある人はぜひ読んでみてください(違

 

まとめ

長い人生、もし敵国に自分のスパイ活動がバレ、「本当のことを言え!さもないと指を一本一本つめ陰部を切り落とした後電気ショックを浴びせるぞ!」と言われることが何度かあるかと思います。

この本を読めば、そんな時にも冷静に対処できるようになりますね。

厨二病のぼくは「スパイかっこいい!スパイってどんな感じなんだろう?」という疑問があったのですが、色々解消されとても面白い本だったので、スパイに興味のある方はぜひ読んでみてください。

 

ではー

 

スパイのためのハンドブック

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